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「思考停止」

2007/03/04の紙面より



自民党に「原爆症認定を早期に実現するための議員懇談会」が設立されました。会長は河村建夫衆議院議員、世話人代表が寺田稔衆議院議員で、現時点で三十人の自民党国会議員が参加しています。ご自身が被爆二世で同会の中心的存在である寺田代表のご指名で赤沢が事務局長を務めることになりました。


-被爆者全体の1%-

被爆者の皆さまは、原爆投下時一定地域にいたことなどが確認できれば、いわゆる被爆者援護法に基づき、被爆者健康手帳が交付され、全員が健康診断を受けられて、医療費自己負担が無料となり、もし一定の病気にかかっておられれば、健康管理手当(月額三万三千八百円)が支給されます。議員懇談会が早期実現を目指す原爆症認定とは、被爆者援護法に基づく厚生労働省の行政行為で、認定を受けられれば、上記の援護に加えて、医療特別手当(月額十三万七千四百三十円)の支給を受けられます。

現時点において、手帳保持者は全部で約二十六万人、そのうち健康管理手当の受給者は約二十二万四千人おられます。問題は、医療特別手当の受給者が戦後六十年以上たった現時点においてもわずかに約二千人しかおられないことです。被爆者全体の約1%の方々しか原爆症認定を受けられていない現実はどう考えてもおかしいと思います。被爆者援護法の前文の(原爆の)「健康被害が他の戦争被害とは異なる特殊な被害である」ので「高齢化の進行している被爆者に対する保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護対策を講じる」という精神にも反します。

-大変危険な状態-

認定を求めて被爆者の方々が大阪、広島、名古屋の地裁で争った裁判では、国(厚生労働省)が次々に敗訴しました(現在も十五地裁で裁判継続中)。どの判決も厚生労働省の考え方を否定し原爆症認定を求めましたが、同省は認定を拒否し、いずれの判決についても控訴した上、昨年五月の大阪地裁判決の敗訴以来、従来行われてきた日本原水爆被害者団体協議会との定期協議の開催を取りやめ、同協議会の皆さまの敷地内立ち入りさえ拒否する態度をとりました。

本件に関する限り、現在の厚生労働省は国民のためにならない、大変危険な思考停止の状態に陥っているように見えます。既に遅きに失した感を否めないのが誠に心苦しい限りですが、行政が国民の利益に反する思考停止状態に陥った場合にこれを正すのも政治の重要な役割であると考えます。

-被爆者の希望実現-

今月二十日に仙台地裁、二十二日には注目の東京地裁の判決が出される予定です。赤沢としては、いずれも原告勝訴を確信しており、一連の判決を絶好機として、同志と一致団結して官邸の理解を得、長い間心身ともに大変なご苦労を重ねられてきた被爆者の皆さまのまっとうな希望をできる限り早期に実現したいと思います。


※このホームページのリレーコラムについては、縦書きの記事からの転記のため、このような漢数字の記述となっております。


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