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「時速50キロ道路圏」

2007/12/02の紙面より



鳥取県をはじめ高規格幹線道路の整備が遅れている地方のことです。例えば、時速八十−百キロで走れる道路が整備された地域と、時速四十−五十キロでしか走れない地域では、物流コストがほぼ二倍違います(ガソリン消費量は走行時間にほぼ比例するからです)。


- 道路整備が重要 -

他の条件が同じであれば、物流コストのかさむ道路整備後進地域には、いくら首長が誘致しても企業はなかなか来ません。企業が来なければ雇用が生まれず、若者は都市へ流出し、納税人口も増えないため県、市町村の税収も増えず、住民サービスも改善されず、さらなる企業誘致のための好条件提示もできないという悪循環です。

国民の居住地選択でも道路整備後進地域は敬遠されます。このことは格差の本質とされる雇用の厳しさを示す有効求人倍率が、高規格幹線道路整備率と非常に強く相関していることにはっきり表れており、本質的な地域間格差の解消には、実は道路整備が決定的に重要なのです。

この観点から最近の良いニュースは、国土交通省が発表した中期計画案が鳥取県の主要道路整備を約十年で完了するとしたことです。一方、悪いニュースは、道路整備の進んだ都市圏を中心に、本年度末に期限の到来する道路特定財源の上乗せ(暫定税率)を規定する法律の期限延長を止めようという声が出始めたことです。暫定税率を廃止すればガソリンの値段は安くなりますが、同時に道路整備の財源はほぼ半減し中期計画の実施に二倍時間がかかり鳥取県の将来の格差是正は絶望的です。これは県と県民の将来を決める究極の選択だと断言できます。



- 暫定税率を維持 -

暫定税率を廃止して道路整備の財源がほぼ半減しても痛くも痒(かゆ)くもないのは既に道路整備の進んだ都市圏です。同率が全国最下位(三割台)の鳥取県がこれを受け入れれば、今後二十年大きなハンディを負い続け格差は開く一方です。しっかり道路特定財源を守り今後十年で県内の主要道路整備を完了すれば、日本の貿易の重心が欧米から東アジアに移行する日本海の時代、そして来るべき世界的な食料不足の時代に、境港などを表玄関として多くの原材料を輸入して整備済みの道路で全国に届ける、あるいは整備済みの道路で県中から集まる農林水産物を境港から世界に輸出するなどの経済活動で鳥取県は間違いなく飛躍的に発展できます。

十年後には、団塊の世代の第二の人生の棲家(すみか)としても非常に魅力的な鳥取県が、大きなハンディなしで日本一まじめな県民性を存分に発揮する姿を私は見たいです。人口が増加に転じ、例えば、山陰から道州の州都を出すことも夢ではないと考えます。今、暫定税率維持と道路整備財源確保という正しい選択により鳥取県をはじめ地方が輝く素晴らしい日本の未来を切り拓(ひら)きたいと思います。


※このホームページのリレーコラムについては、縦書きの記事からの転記のため、このような漢数字の記述となっております。


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