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「ファインプレー」

2006/10/15の日本海新聞紙面より



九日、地元(啓成)校区大運動会への参加中に北朝鮮の核実験実施の連絡が入りました。運動会に出ていたからではありませんが、国の安全保障の分野でも、野球などのスポーツと同様、目に見えるファインプレーと目に見えないファインプレーがあると考えさせられました。


- 弾道ミサイル防衛 -

目に見えるファインプレー(野球で言えばぎりぎりのダイビングキャッチ)の代表は弾道ミサイル防衛(BMD)です。これは簡単に言えば、北朝鮮がわが国に向けて発射した弾道ミサイルをこちらが発射するミサイルで迎撃して破壊するものです。日本政府は、二〇〇三年に過去米国と共同研究を行ってきたこの技術の導入を決定しましたが、稼働までにはまだ何年かかかります。

当初の想定でも一兆円弱という巨額の予算を必要とする上、もちろん百発百中とはいきませんが、ひとたび発射されてしまった弾道ミサイルからわが国を守る手段がほかに見当たらない以上このファインプレーは必要です。

一方で、目に見えないファインプレー(野球で言えば初動が人並み外れて早いため、一見簡単に見える体の正面でのキャッチ)も心掛けたいと思います。


- 近づく核兵器拡散-

前回のリレーコラムで、近年の世界の武力紛争の四分の一は天然資源絡みといわれる中、アジア諸国が急成長する二十一世紀、アジアの時代には、天然資源に関連して世界で最も不安定になる地域がアジアである旨述べましたが、北朝鮮の核開発問題はその一例であると考えます。

資源大国北朝鮮から毎年多くの石炭と鉄鉱石を輸入している中国が北朝鮮に対して強い態度を取れないため、関係国の足並みが圧力路線でそろわず、その結果北朝鮮の核開発を阻止できずに今後北朝鮮からテロリストを含む世界中に核兵器が拡散していく危険が日に日に現実のものとなりつつあるように見えます。


- 天然資源途絶を懸念-

北朝鮮の消費する石油のほとんどと北朝鮮への食糧支援の約半分を提供している中国は、その気になれば核開発完了前に北朝鮮を崩壊させられるはずですが、もし北朝鮮が崩壊すれば親米的な政権が樹立されて北朝鮮から中国への天然資源の供給が途絶えかねないことなどを懸念していると考えられます。

首都北京と目と鼻の先の北朝鮮が核武装するリスクを冒してでも北朝鮮からの天然資源の輸入を途絶えさせたくないというお家の事情を抱える高度経済成長中の中国から、天然資源獲得に関する不安を少しでも取り除く取り組みなどをアジアにおいてわが国のイニシアチブで着実に進めれば、目に見えないファインプレーとして長い目で見ればわが国の安全保障を強化することになると確信します。

国民一丸となった当面の難局の打破とファインプレーの連続を切に願います。


※このホームページのリレーコラムについては、縦書きの記事からの転記のため、このような漢数字の記述となっております。


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