「現地現物主義」
2006/11/12の日本海新聞紙面より
国会開会中、連日早朝から開催される自民党の部会などで政策を議論していて最近気になったことを書きます。それは、現地に自ら足を運んで、現物を自分の目で見て、自分の頭で考えること(現地現物主義)の重要性が軽んじられる風潮です。
-現場に足を運ぶ -
今月初めに開催された部会で、農林水産物の販売力強化のためにIT技術をフル活用して、インターネットで接続された複数の市場で販売されている農林水産物をパソコンの画面を見ながら売買するシステムを整備しようという提案を聞いた際にそのことを強く感じました。
本年七月二十四日号の日経ビジネスの記事の中で、奥田碩前経団連会長は「eコマースの使い方がおかしい。最近では、通信を使った映像の品質が非常に良くなったから、実物も見ずに通信販売で重要なパーツまで買おうとする。しかしながら、取引する会社に足を運んで現場の雰囲気を直接見ることがぜひとも必要である」とおっしゃっていますが、このことは工業製品に限らず、農林水産物でも同じはずです。
市場の雰囲気、例えば活気があるか、良く整理整頓されて清潔で衛生管理は万全か、そして何よりも取引する現物の色、においなど自分の目、鼻で確認して間違いないかといったことが非常に重要です。
-自分の目、頭で-
同じ七月に裏千家第十六代坐忘斎千宗室お家元がご講演の中で、「工夫を基本とする我が国の生活文化に停滞の兆しが見られる。今の世の中、自分で工夫すること、自分で工夫しようという気持ちが欠けている。誰かが工夫してくれた便利なもの(例えば、インターネットや通信販売)を(金を払って)借りてくれば事足りるという風潮がまん延している」とおっしっています。
世界を代表するお茶の達人と経営の達人がそろって、要すれば「安易に借り物で済ますことなく、(現地に足を運んで)自分の目で見て自分の頭で考えろ」とおっしゃっていることの重みを感じます
-五感を総動員-
同月以来、私の国会日程の合間を縫っての寸暇を惜しんでの地元巡りがさらに熱を帯びたことは申し上げるまでもございません。田畑、ハウス、かんがい施設、選果場など農業施設や漁港、市場、牛豚舎、養鶏場に足を運ぶことのほか、種まき、収穫体験などから本当に多くのことを学びました。
それ以外にも、水の豊かさ、泥水を被った田畑やアスファルトが浮き上がって巨大な凹凸ができた道路などの豪雨災害のつめ跡、農地や間伐の不十分な森の荒廃、土地による家屋の傷み具合、住民の皆様の気質の違いなど現地に足を運んで身にしみたことを数え上げれば切りがありません。
今後とも現地現物主義を肝に銘じ、五感を総動員して多くのことを学び、自分の頭で考え抜いて国政に反映させて参りたいと思います。
※このホームページのリレーコラムについては、縦書きの記事からの転記のため、このような漢数字の記述となっております。